No.2028の記事

中国による世界標準化で消される日本の医療資源

近年中国では中医学の国際標準化の働きに力を注いでいる。下記の記事は漢方薬であるが、鍼灸も同じように国際標準化を訴えている。私達もただ手をこまねいて見ているわけではない。が、政府はお金も人も出そうとしない。いまこそ、国力を上げて守らなければいけない時期なのに。

なぜ、中国は世界標準を訴えるのか。
それは、漢方薬は生薬の材料を輸出することが出来る。又、処方の方法も併せて輸出することが可能である。これは膨大な経済状態を作ることが出来る。日本政府はなぜ黙っているのでしょうか。それは最先端科学が健康寿命を伸ばすと思っているのだろうか。

中医学を教えてあげるから、他の製品も合わせて買ってください。(自動車や電子機器、軍艦、衣料品、食料など)アメリカや欧米、アフリカ諸国(お金がかからない医療として)などに売り込んでいけるのです。鍼灸の道具の鍼も同じくです。中医学と併せて売るこんでいるのです。


最先端高度医療では健康寿命は伸ばすことが出来ない。理由は年をとると筋力が落ちる。胃腸の力が落ちる。結果として、脳の働きが落ちる。免疫力が下がる。
冷えを取る東洋医学は循環を良くすることで筋力をつけ、柔軟性を持たせることが出来る。胃腸の働きを良くして脳内ホルモンの産生を促す。結果、認知症を防ぐことが出来るのです。これは科学的な薬では出来ない。IP細胞でも難しいのではないでしょうか。(出来てもだれでも出来るわけではない)

もう少し、政府も考えてほしいものです。豊かな日本も作れるし、国民皆さんが幸せになることが出来ます。

最後に製品の話

鍼の道具は日本製が性能では一番。安さでは中国製。韓国製もあるが世界ではあまり使われていない。
お灸のモグサは、昔ながらの手でひねるお灸の材料は日本製以外にはない。外国では作る技術がない。
台座灸(せんねん灸など)の材料は中国、
煙の出ないお灸の材料は韓国製がほとんどです。

漢方薬の原料である生薬の80%以上が、中国からの輸入となっており、日本国内の生産はわずか12%程度。
エキス剤は(生薬を煎じた液からエキス成分を抽出し製剤化した、いわばインスタントコーヒーのようなもの。)日本で開発されたもの。最近は中国や韓国も使うようになってきたが、値段が高いのであまり普及していない。日本では病院で148例も処方が保険で使える。よって漢方は日本が一番発達している。と思うのだが。




下記記事は

http://blog.livedoor.jp/mita_26/archives/8103127.html
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中国が国際標準化機構(ISO)に働きかけ、中医学(漢方)の国際標準化を進めているが、日本政府には危機感が感じられない。

中国の中医学と日本の漢方医学は同じ生薬を扱う医療ではあっても、その製造工程やレシピ、診断方法が異なる。
(中国で「漢方」と言ってもまるっきり通じない。)

品質管理やノウハウの蓄積については日本の漢方医学の方がはるかに優れている。
国際的な政治力の差で、中医学が標準化されることは世界の医療にとって幸福なことではない。

中国の中医学に対する日本の漢方医学の優位性と政府のダメっぷりを説明する。

@中国では漢代に編纂された「傷寒論」や「金匱要略」といったテキストをもとにマニュアル化された医療が綿々と伝えられたのに対し、日本では実地での経験を生かした治療にアップデートされてきた。

(ただし、ISOへの働きかけが本格化した21世紀以降、中国は一部の医療機関で中西医結合=中医と西洋医学の結合、を進めている。2009年の新型インフルエンザ騒動の時はタミフルに喧嘩上等で、漢方(桔梗甘石湯+銀ぎょう散)の効果を臨床試験している。)

日本では蘭学(蘭医=西洋医学)が入ってきて以降、漢方学と蘭学は互いに排除する関係ではなく、補いあう関係として発展してきた。(「採長補短説」by大槻玄沢)

例えば、江戸中期の漢方医学の大家、山脇東洋は長崎からヨーロッパの解剖書、医学書を入手し、研究したうえで、日本で最初の人体解剖を行っている。(蘭医の杉田玄白はそのあと。)

世界で最初に全身麻酔による公開手術に成功した華岡青洲が用いた麻酔薬はチョウセンアサガオとトリカブトを配合した青洲オリジナルブレンドの漢方薬だし、近年では術後イレウスに用いる大建中湯、肩こりの適応をもつ葛根湯、がんの治療に使う十全大補湯など、ノウハウの蓄積による使用法のアップデートが常時行われている。
(このような適応は中医にはない。)

このように日本では江戸期から西洋医学と漢方医学の融合による治療効果の更新が行われているが、中国では中西医結合が最初に言い出されたのは毛沢東時代であり、本格的に始動しだしたのはつい最近に過ぎない。

因みに、江戸期の一般的な医療水準は当時世界でもトップだったという説は強い。
少なくとも、公衆衛生面では抜きんでて進んでいたことは確実。

A中国では西洋医学と中医学は基本分離されており、ライセンスも異なる。中医大卒は西洋医の医療資格も与えられるが、地方では大学すら卒業していない漢方処方医が存在するなど、権利関係が混乱している。日本では西洋医学と漢方医学は同じライセンス(医師免)で扱うことができ、また独占されるので、ノウハウが蓄積されやすい。

日本の医療における漢方の存在感は年々増している。

日経メディカルの漢方薬使用実態調査では、漢方を処方する医師は2000年の72%から10年には87%にまで増えており、その理由も「西洋薬では限界がある。」「学会などで処方の科学的根拠が相次いでいる。」といった西洋医学との「採長補短説」にのっとったものとなっている。

このように西洋医学と漢方医学を融合させた医療を長く提供している国は世界に日本しかない。

漢方の薬価収載の礎を築いた武見太郎医師会会長(当時)は、当時厚労省から猛烈な反発を食らった際に、日本独自の医薬品である漢方は日本が責任を持って振興し、将来的に輸出しなければならない、と説得したそうだが、今まさにそのような時代になりつつある。

B政府に漢方が日本医療の資産だという認識がなく、2009年の事業仕分けで保険収載から外されそうになった件でもわかるように、世界の潮流に逆らい拡大振興よりも縮小廃止の方向を向いている。

例えば、ハーバード大学医学部のアイゼンバーグらは97年の調査で90年〜97年で補完・代替医療の利用者は33.8%から42.1%に、生薬療法の利用者は3.8倍に増加したと結論づけた。(「米国医師会雑誌」98年9月号)

このような動向を受けて米国では92年に代替医療局が設置され、98年には国立補完・代替医療センターに昇格されている。予算も200万→2000万→1億2000万ドル(2010年)と驚異的な伸びを示している。

中国や米国が(日本で言う)漢方に予算を費やすのには理由がある。

特許による経済効果を呼び込むためである。

例えば、2010年に「サイエンス・トランスレーショナル・メディスン」(2010年8月18日号)に掲載されたPHY906という中医薬は、抗がん剤CPT−11の副作用である下痢を抑制する、という臨床試験を行っており、世界を驚嘆させた。無論、これは特許申請されている。

実はこれと同様の臨床試験は日本でも97年に行われており、論文にもなっているし、随分前から医療現場では(PHY906の成分を含む)半夏瀉心湯の適応症例として汎用されている。
(だから、日本では全く驚きでも何でもない。)

にもかかわらず、「サイエンス・トランスレーショナル・メディスン」のような世界的に権威のある学術誌に掲載されないことには、日本の研究は「なかったこと」になってしまう。

中国や米国が西洋医学とは違う切り口の東洋医学の「見える化」に予算をつぎ込む一方、日本では未だ専門の部局さえないどころか、予算削減→抹消の方向を向いたまま。

東洋医学のノウハウの蓄積が最も豊かな国の資産がこのまま日の目を見ないまま埋もれていくのは、いかにも惜しい。

中医学が標準化し、レシピや製造工程、品質管理まで日本の劣化版を(世界では)使わざるを得なくなるのは、世界にとって多きな損失と言える。

漢方(中医)の世界標準化を目論む世界中医薬学連合会副主席の李振吉は「中医は既に世界160か国に広がっている。標準化できれば各国で規範となり、中医薬の安全性も保てる。」と主張する(GLOBE漢方特集)が、ノウハウの蓄積が少ない中国式では品質管理や技術の運用面から安全性に問題が出やすい。

実際、欧米では中国から輸入された生薬の服用による健康被害が問題になっている。

日本政府は付け焼刃的な西洋医療の輸出よりも、漢方という伝統的な優良資産を生かす方途を国家戦略に巻き込むことが日本と世界の幸福につながるものと認識すべきではないか。

医薬品の標準化=品質や安全性の認証はビジネスチャンスとしても大きい。

今後の展開が注目される。

蛇足

中医の世界標準化には日本と同じく独自の発展を遂げた(といっても日本ほど大規模ではない)韓国が抵抗している。中国政府には中医専門の担当者が約80人。韓国は20人程度配置している。霞が関には国際化戦略どころか、部局さえないので窓口にもなっていない。

厚労省も中国の動きは警戒しており、2010年には統合医療センター設立を視野に入れた研究会なども実施しているが、進展していない。多分、カネのかかる新規事業はやる気がないんだと思う。