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「重度嗅覚障害は認知症を伴うパーキンソン病の前駆症状である。

人間の鼻腔内でにおいを感知する部位には、何百万もの嗅覚受容体が存在する。最新の研究から、嗅覚受容体は無秩序に分散しているのではなく、特定の領域に局在していると判明した。その領域は、脳がにおいの快・不快を判別するための前処理など、さまざまな機能を担っていると推測されている。

嗅覚の検査法と判定――嗅覚の検査には、非刺激性でにおいのある物質、例えばひきたてのコーヒー、香水、レモン汁、タバコなどを用いる。閉眼させて、一方の鼻孔を患者の指で押えさせ、閉じていない側の鼻孔へにおいのするものを近づけ、何のにおいかを識別させる。何のにおいか分かれば、鼻腔上部に分布する嗅神経およびその中枢に障害がないと判定する。においが全く分からない場合を嗅覚脱失という。嗅覚脱失や嗅覚低下を来すのは、外傷、炎症(鼻炎)、老化、腫瘍(前頭葉、下部嗅窩部)などの場合である。

武田医師のグループは、嗅覚検査によってパーキンソン病における認知症発症を予測し、認知機能障害の早期発見・早期治療ができる可能を示して国際科学雑誌「Brain」に発表するなど、パーキンソン病や認知症の研究に於いて世界的に注目されている。

運動症状に対する薬物治療が進歩しドーパミン補充薬を始めとした治療薬が数多く開発され長期に渡る病気のコントロールが可能になってきている。しかし、認知・精神機能障害、睡眠障害、感覚障害、自律神経障害などの非運動症状がこれまでの予想以上に多く見られる上、患者QOLに大きく影響することがわかり重要視されるようになってきた。
武田医師らのグループは2012年パーキンソン病患者における重度の嗅覚障害が認知症の前駆症状であるとの研究結果を発表。この研究では、認知機能障害のないパーキンソン病患者44人に「匂い識別覚検査法(OSIT-J)」(産業技術総合研究所が開発)を行い 3年間の経過をフォローした。その結果10人が認知症を発症したが、全例エントリー時に重度の嗅覚障害を示していたことがわかった。つまり嗅覚検査によって認知症の早期発見/早期治療ができる可能性が示唆された。また、重度の嗅覚障害を示すグループは脳画像検査でも、脳萎縮傾向とともに広範な脳機能の低下傾向が見られた。現在、嗅覚障害をバイオマーカーとしてパーキンソン病の認知機能障害に早期に治療介入する臨床研究を進めている。

運動機能改善のためにリハビリテーションはとても重要「薬を飲んだら、身体を動かすことも忘れずに、最初は大変でも繰り返すことで、よい状態が維持できます」と武田医師は言う。

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